Tower(5ページ)

―そうだ。「昼まで」って言ってたよな…。昼になったら佐枝たち きっとお腹を空かせて帰るに違いない。

―どうせ夏休みに佐枝に会う事もない。二学期が始まったころには今日の事なんて忘れているだろう。


―とりあえず教室にいたら佐枝がまた戻ってくるかもしれない。図書室でもいくかな…。

少年は荷物をまとめて図書室へむかった。
佐枝は本なんて読んだ事がなく、いつも外で遊んでいるような人だったため、佐枝が図書室に来るなんてことは有り得なかった。

うちの学校の図書室は薄気味悪い場所だ。
狭いのに本が沢山あるので、棚も沢山あって蛍光灯の光りが行き届かなく、薄暗い場所が沢山あった。

僕は本を読むのは好きではない。
でも、昼までの時間を潰さなきゃいけない。仕方なく面白そうな本なら読めるだろうと、面白そうなタイトルを探した。



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