Tower(4ページ)
『も、もちろん行くよ。でも僕まだ片付けが済んでないんだ。少し遅れるけどいいかな?』
シャーペンと消しゴムを慌てて拾い、立ち上がりながら応えた。
『嗚呼、早く来いよ。昼まで時間がないからな!』
そう言い放って佐枝は数名の友達と教室をでて行った。
―最悪だ。終業式の日にまでサッカーをやらされるとは。ただでさえ僕はキーパーしかさせてもらえないのに 守りきれず点をとられれば罰としてランドセル持ちをさせられる…。毎日放課後キーパーをやらされてランドセルを持たされているけど、終業式の荷物の沢山入ったランドセルを持つのだけは避けたい。
だけど学校を出る為には校庭を必ず通らないといけなかった。校門は校庭の先にあるのだから…。
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