Tower(2ページ)

『終業式っていいよな、午前で終わるもんな。どうせならウルサイジジイの長話もなくな ればもっと早く終わるのによ!』

―クラスで一番背も高く体格のいい奴が騒いでいた。ウルサイジジイとは おそらく校長の事だろう。この校長は3年前移動してきたのだが、行事の時きまって長々と話をする。
あれこれ考えながら片付けているうちに、騒いでいた佐枝が片付けを終えてランドセルを背負い始めていた。

僕は目立たないようにシャーペンと消しゴムを机から落として しゃがみながら、またゆっくりと拾い始めた。
しゃがんでいれば佐枝の目には止まらないだろう、と。

だが神様は微笑んでくれなかった。





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